次の症状に当てはまる方は、早めに医療機関への受診をおすすめします

  • 他人が自分を監視している、害しようとしていると感じる
  • 身近な人や他者に対して強い疑念を抱き、その考えが繰り返される
  • 誰も信じられず、常に不安や恐怖を感じている
  • 自分が特別な存在だと強く信じて疑わない
  • 自分が何かの病気にかかっているのではないかと感じ、何度も病院を受診する
  • 自分に対する悪意や陰謀を常に意識し、その結果対人関係が悪化する
こんな症状のある方に

妄想性障害とは

妄想性障害とは現実とは異なる強い信念(妄想)に囚われる精神疾患です。
この疾患は妄想が中心的な症状であり、通常は他の精神障害が伴わないのが特徴です。
妄想の内容はさまざまで被害妄想や誇大妄想、嫉妬妄想、身体に関する妄想などがあります。
妄想性障害になると妄想によって通常の生活に支障をきたすようになり、本人や周囲の人々にとって大きなストレスをもたらします。

妄想性障害の主な症状

妄想性障害の症状は、主に以下のような形で現れます。

  1. 被害妄想
    他人や組織が自分に危害を加えようとしている、監視されている、嫌がらせを受けていると強く感じる状態です。
    この妄想により強い不安や恐怖を感じ、対人関係や社会生活が難しくなります。
  2. 誇大妄想
    自分が特別な存在である、重要な使命を持っていると思い込んでしまう状態です。
    例えば、自分が有名な人物や神聖な存在だと信じる場合などが挙げられます。
  3. 嫉妬妄想
    パートナーや配偶者が浮気をしている、裏切っているという妄想に駆られてしまう状態です。
    実際には根拠がないにもかかわらず、思い込みによって強い嫉妬心が生じてしまいます。
  4. 身体妄想
    自分の体に深刻な問題がある、病気にかかっていると妄想してしまう状態です。
    例えば、自分の内臓が腐っていると感じたり、目に見えない病気に侵されていると強く思い込んだりすることがあります。

妄想性障害の原因

妄想性障害の原因は完全には明らかになっていませんが、いくつかの要因が発症に関連していると考えられています。

  1. 遺伝的要因
    近親者で妄想性障害やその他の精神疾患を持っている方がいらっしゃる場合、発症リスクが高くなることが報告されています。
  2. 生物学的要因
    脳内の神経伝達物質、特にドーパミンの異常が妄想性障害の発症に関連している可能性があります。
    また脳の特定の部位の異常な活動が、現実と非現実の区別を困難にしている可能性があります。
  3. 環境的要因
    強いストレスやトラウマ、孤独感、社会的な孤立も妄想性障害の発症リスクを高める要因とされています。
    また慢性的なストレスや不安が持続する環境下にいる場合、妄想が発展するリスクが高まります。
  4. 心理的要因
    妄想性障害を持つ人々は通常、疑念や不信感が強く、過去の経験が彼らの考え方や行動に影響を与えることがあります。
    幼少期のトラウマや虐待経験もリスクファクターとされることがあります。

妄想性障害の治療方法

妄想性障害の治療は主に薬物療法と心理療法を組み合わせて行います。
治療には時間がかかることが多く、長期的なサポートが必要です。

  1. 薬物療法
    妄想性障害の治療には抗精神病薬を使用することがあります。
    抗精神病薬によって脳内の神経伝達物質のバランスを調整し、妄想やその他の精神症状を軽減します。
  2. 心理療法
    妄想性障害の方に対して認知行動療法を行うことがあります。
    認知行動療法を通じて自分の思考パターンを認識し、現実とのギャップを修正することを目指します。 またストレス管理やリラクゼーション法も妄想性障害の症状を軽減するのに役立ちます。

おわりに

妄想性障害は日常生活に大きな影響を与える疾患ですが、適切に治療を受けることで症状の改善や日常生活の質を向上させることができます。
もし自分や家族に妄想性障害の可能性があると感じた場合は早めに医療機関に相談し、専門的な診断と治療を受けることが重要です。
当院では妄想性障害に対する診療を行っており、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療を提供しています。

大阪市で妄想性障害の治療ができるクリニックをお探しの方は天神橋筋六丁目駅近くのジンメンタルクリニックへご相談ください。

監修:ジンメンタルクリニック 院長 陳元太