次の症状に当てはまる方は、早めに医療機関への受診をおすすめします

  • さっきまで話していたことをすぐに忘れる
  • 外出すると道に迷って帰ってこられなくなる
  • 身の回りのことが疎かになる、身だしなみに気を配れなくなる
  • 物の置き場所がわからなくなり、探し物が増える
  • 昔と比べて怒りっぽくなった
こんな症状のある方に

認知症とは

認知症は脳の機能が低下し、記憶、思考、判断力などに障害が起こる疾患です。
アルツハイマー型、レビー小体型、脳血管性など認知症には多くの種類があり、時間の経過とともに症状が悪化します。

治療を行うことで疾患の進行スピードを緩やかにしたり、症状の悪化を防ぐことは可能ですので、ご両親や近親者の方で症状が見られた場合には「ただの老化」で片づけずに、早めに医療機関へご相談ください。

認知症の主な症状

認知症の症状は個々の患者によって異なりますが、一般的には以下のような兆候が見られます。

  • 何度も同じ話をする
  • 集中力が続かず、注意が散漫になる
  • 言葉をうまく使えなくなる、会話が途切れる
  • よく知っている場所でも道に迷って家に帰ってくることができなくなる
  • 急に泣き出す
  • イライラしてよく怒るようになる
  • 活動的でなくなる、今までの趣味を楽しむことがなくなる
  • 人との交流を避ける

認知症の原因

認知症の原因は多岐にわたりますが、主な要因には以下のものがあります。

  • アルツハイマー型認知症
    アルツハイマー型認知症は脳内に異常なたんぱく質(アミロイドβやタウ)が蓄積することが原因で発症します。
    これにより神経細胞が死滅・脳が萎縮し、50歳以降の男性に比較的多くみられます。
    同じ話を何度もする、ついさっきまで話していた内容を忘れるなどの症状から発症し、変化の度合いが大きくなっていきます。
    認知症の原因として最も多いのがアルツハイマー型認知症です。
  • ・血管性認知症
    脳内の血流が不足することで脳の一部が損傷し、認知機能が低下するタイプの認知症です。
    脳卒中や高血圧などの生活習慣の乱れが原因で発症することが多い認知症です。
    症状は脳のどの部分が損傷しているのかによって変化します。
  • その他の原因
    • レビー小体型認知症
      レビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質が脳に蓄積されることで発症する認知症です。
      幻覚や幻想などが症状としては特徴的です。
    • 前頭側頭型認知症
      前頭葉や側頭葉の神経細胞が萎縮することで発症する認知症です。
      40~60代で発症することが多く怒りっぽくなるなどの性格の変化や万引きをする、信号を無視するなどの社会規範に反した行動をしてしまうことがあります。
      その他、パーキンソン病やハンチントン病などの神経変性疾患も認知症を引き起こすことがあります。

認知症の治療方法

認知症は治療が難しい病気ですが、治療を行うことで症状の進行を遅らせることや症状を軽減することは可能です。

  1. 薬物療法
    認知機能改善薬を使用することで認知機能の低下を遅らせたり、抗うつ薬や抗精神病薬を使用することで、不安やうつ症状、興奮状態を和らげることが期待されます。
  2. 非薬物療法
    リハビリテーションを行うことで、脳の活性化を図ることが期待できます。
    音楽療法や芸術療法、運動療法など様々なリハビリ方法があるので、楽しみながら取り組むことができるものを実施して症状の緩和を図ります。

おわりに

認知症は患者本人だけでなく、家族や介護者にも大きな負担がかかる疾患です。
放置をしているとどんどん進行し、ご負担もさらに大きくなっていきます。

しかし早期に診断と適切な治療を受けることで、症状の進行を抑えることができます。
もしご両親や近親者の様子で「最近変だな」と感じるものがあるのであれば認知症の聴講かもしれません。

当院では認知症の専門医が在籍しており、患者様の状態に合わせた最適なケアを提供しています。
ご自身やご家族の健康を守るために大阪市北区天神橋筋六丁目周辺で心療内科をお探しの方は当院へご相談ください。

監修:ジンメンタルクリニック 院長 陳元太