次の症状に当てはまる方は、早めに医療機関への受診をおすすめします

  • 何度も手を洗わないと気が済まない
  • 扉の鍵やガスの元栓を何度も確認する
  • 数字や順序に執着し、特定の行動を繰り返す
  • 不快な考えやイメージが頭から離れない
  • 物がきちんと揃っていないと落ち着かない
  • 汚れやばい菌への恐怖を感じ、清潔を保つ行動を過度に繰り返す
こんな症状のある方に

強迫性障害とは

強迫性障害(OCD)は自分の意思に反して何度も何度も特定の行為を繰り返してしまい、どうしても辞めることができずに苦しむ疾患です。
何度も思い浮かんでくる考えのことを強迫観念、それに伴う繰り返し行ってしまう行動のことを強迫行為と呼び、この2つのいずれかもしくはどちらかが症状として見られます。

強迫観念は日常生活において過剰な不安や恐怖を引き起こし、強迫行為はその不安を和らげるために行われますが、実際には不安の軽減効果は一時的であり、症状が持続することが多いです。

強迫性障害は100人に2~3人が経験する可能性がある疾患であり、社会生活や日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

強迫性障害の主な症状

強迫性障害の症状は個人によって異なりますが、以下のような特徴的な症状が見られます。

強迫観念

  • 他人が触ったものに触ると他人の汚れがついてしまうのではないかと不安に思う
  • 自分が気が付かない間に誰かに危害を加えているのではないかと不安に感じる
  • 自分の行動が不安になって過去の行動を振り返る

強迫行為

  • ガスの元栓や家の窓が閉まっているかどうか、何度も確認し、家を出てからも確認して戻ってしまう
  • 帰宅してから15分以上手を洗い続ける

強迫性障害の原因

強迫性障害の正確な原因は未だ完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。

  • 遺伝的要因
    家族に強迫性障害の既往歴がある場合、発症リスクが高くなることが報告されています。
  • 環境的要因
    幼少期のトラウマやストレス、育成環境などが強迫性障害のリスクを高める可能性があります。
  • 心理的要因
    完璧主義や高い自己要求、過度な責任感が強迫性障害の発症に寄与することがあります。

強迫性障害の治療方法

強迫性障害の治療には、心理療法と薬物療法が一般的に用いられます。個々の症状や状態に応じて、以下の治療法を組み合わせることがあります。

  1. 心理療法
    不安を引き起こす思考パターンや行動を特定し、それらを変えるための具体的な対策を学びます。
    不安を引き起こす状況に段階的に直面し、強迫行為を抑える練習を行います。
  2. 薬物療法
    選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や抗不安薬が使用されることがあります
    これらの薬は、脳内の神経伝達物質セロトニンのバランスを調整し、不安感や強迫行為を軽減する効果があります。

おわりに

強迫性障害は適切な治療を受けることで症状を改善させることが可能な疾患です。
自分では理解できない不安や行動に悩んでいる場合、周囲のサポートとともに専門医に相談し、早期の治療を始めることが重要です。

当院でも強迫性障害の治療を行っており、患者様の状態に合わせた最適な治療を提供しています。
大阪市北区天神橋筋六丁目周辺で心療内科をお探しの方は、お気軽にご相談ください。

監修:ジンメンタルクリニック 院長 陳元太