次の症状に当てはまる方は、早めに医療機関への受診をおすすめします

  • 自分の考えが誰かに操られている、盗まれていると感じる
  • 誰もいないのに声が聞こえる
  • 他人が自分を監視していると強く信じている
  • 感情が乏しくなり、社会生活や対人関係が難しく感じる
  • 気が付くと独り言をよく言うようになった
こんな症状のある方に

統合失調症とは

統合失調症は現実と非現実の区別が難しくなる精神疾患です。
幻覚や妄想といった症状が特徴的で、思考や行動、感情に影響を及ぼします。
発症のメカニズムは完全には解明されていませんが遺伝的要因や脳内の神経伝達物質の異常が関係していると考えられています。
統合失調症は成人の約1%に発症し、思春期から30代にかけて初めて発症することが多いです。
早期に適切な治療を受けることで症状のコントロールが可能になり、社会生活への復帰も期待できます。

統合失調症の主な症状

統合失調症の症状は陽性症状、陰性症状、認知機能障害の3つに分類されます。

  1. 陽性症状
    • 幻覚
      実際には存在しない音や声が聞こえるようになる症状です。
      自分の悪口や噂話が聞こえてきたり、自分に命令をするような声が聞こえてくる方もいらっしゃいます。
    • 妄想
      他人が自分を害しようとしていると強く信じるなど、現実には起こっていないことを起こっていることと強く思い込んでしまう症状です。
      自分の地位や能力を過大に評価してしまう誇大妄想や、誰かが自分を貶めようとしている、けなしているなどと考えてしまう被害妄想などの種類があります。
    • 思考障害
      次から次へと様々な考えが頭の中に浮かんでしまった結果、考えがまとまらず会話が支離滅裂になる症状です。
      周囲の方に言いたいことを理解してもらうことができなくなってしまい、辛く感じることが多々あります。
  2. 陰性症状
    • 感情の起伏がなくなる
      喜びや悲しみといった感情表現が乏しくなる症状です。
      気分が落ち込むのとは異なり、感情が動きにくくなることが特徴で、気分が高揚する、落ち込むという変動なくなります。
    • 人間関係を避けるようになる
      人と関わることを避け、1日中部屋で何をするわけでもなく1人で過ごしたり、外出することを避けたりします。
    • 意欲の低下
      仕事や家事、今まで興味のあった趣味や娯楽などへの関心や意欲が低下し、何かに取り組むことができなくなります。
      そのほか、今まで当たり前のように行っていた入浴、身だしなみなどの生活習慣に対しても億劫な気持ちになり、取り組むことができなくなります。
  3. 認知機能障害
    • 集中力の低下
      集中力が低下し、1つのことに集中できなくなる症状です。
      集中力が散漫になることから仕事や勉強においてミスなどもしやすくなってしまいます。
    • 記憶障害
      記憶力が低下し、新たな物事を覚えるのが難しくなります。
      会話している相手の話を理解できなくなったり、短期的な記憶保持ができなくなりつい先程まで指示されていた内容を忘れてしまったりします。
    • 判断力の低下
      様々な情報を把握する力が低下することで物事や情報を比較する力が低下してしまい、
      結果的に物事を比較し、判断することができなくなることがあります。

統合失調症の原因

統合失調症の正確な原因は未だ不明ですが、以下の要因が関連していると考えられています。

  • 遺伝的要因
    近親者に統合失調症の既往歴がある場合、発症リスクが高くなることが報告されています。
  • 生物学的要因
    脳内の神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンのバランスが乱れることによって、統合失調症の発症に繋がると考えられています。
  • 環境的要因
    強いストレスやトラウマ、感染症などの環境的要因も統合失調症の発症リスクを高めることがあります。

統合失調症の治療方法

統合失調症の治療は薬物療法と心理社会的治療が中心です。

  1. 薬物療法
    抗精神病薬が統合失調症の治療において最も一般的に用いられます。
    これらの薬は脳内の神経伝達物質のバランスを調整し、幻覚や妄想などの症状を軽減します。
    治療の初期段階で適切な薬物療法を行うことで、症状の進行を防ぐことが可能です。
  2. 心理社会的治療
    心理療法や家族療法、社会技能訓練などが統合失調症の治療に効果的です。
    患者が社会生活に適応できるよう、対人関係の改善やストレス管理の方法を学びます。
    また、家族のサポートも重要で、家族療法を通じて家族が統合失調症への理解を深め、適切なサポートを提供することが求められます。
  3. 生活習慣の改善
    規則正しい生活習慣を維持することも、症状の安定に寄与します。
    適切な睡眠、バランスのとれた食事、運動の習慣が症状の改善に役立ちます。

おわりに

統合失調症は早期の診断と治療が鍵となる疾患です。
自分や家族が統合失調症かもしれないと感じた場合には早めに医療機関に相談し、専門的な治療を受けることが重要です。
当院でも統合失調症に対する診療を行っており、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療を提供しています。

統合失調症の治療ができるクリニックをお探しの場合には天神橋筋六丁目駅近くのジンメンタルクリニックにご相談ください。大阪市北区天神橋筋六丁目周辺で心療内科をお探しの方は当院へご相談ください。

監修:ジンメンタルクリニック 院長 陳元太