自律神経失調症
不眠、不安、イライラ、頭痛、腹痛、めまい、浮遊感、肩こり、手のしびれ、耳鳴り等の症状がある方。
適応障害(職場、学校、家庭での不適応)
環境の変化、人間関係、業務量の増加、リストラ、昇進等でストレスを感じて、身体的、精神的、行動面での変化が生じて適応できない方。例えば仕事に行けない、行こうとするとめまい、ふらつき、頭痛等が出てきたりする方。
パニック発作
自宅に居る時、車の運転中に渋滞に遭遇した時、電車やエレベーターの中、飛行機の中等で理由もなく突然に、激しい恐怖感や不安感と共に、ドキドキしたり、息苦しくなったり(息が吸えなくなる)、今にも死にそうに感じたりする等の症状がある方。
社交性不安障害(対人恐怖症)
大勢の前で話したりする時や苦手な上司の前で話す時に、失敗したり恥ずかしい思いをするのではないかと非常に心配になり、異常にあがってしまい、赤面、吃音(どもり)、動機、手のしびれ等の症状がある方。
気分障害(うつ病、躁うつ病)
うつ病:
2週間以上も気分の低下、興味や喜びの喪失、活力の減退や疲労感等があり、集中力や注意力が低下して、眠れない、朝がつらくて起きられない、外出できない、食欲低下して体重減少、誰とも会いたくない、さらには死にたいと考えたりしている方。
躁うつ病:
数日間以上、気分が状況にそぐわないほど高揚し、愉快で陽気な気分からほとんど制御できない興奮にいたるまで様々な段階があります。活発に活動し、多弁となり、眠らなくても疲れず、社会的抑制が失われ、注意を保てず、次々にひらめきが湧いてきて、自尊心が肥大し、誇大的あるいは過度に楽観的な考えをするようになったりする方。
ひどくなると被害妄想、誇大妄想、話している内容が了解不能(支離滅裂)となったりします。
強迫性障害
反復する強迫思考(繰り返し心に浮かぶ観念、イメージや衝動)又は強迫行為(あるいは強迫儀式:何度も繰り返される常同行為)。
例えば頭の中で何度も「4」や「9」の数字が浮かんでくるとか、電気やガスを消したか、鍵をかけたかと何度も確認する行為、不潔恐怖から何度も手洗いをする、同じ道を歩かないと気持ち悪い等の症状があります。
自分では無意味であると認識していても抵抗できない状態の方。
更年期障害
45歳くらいから55歳の更年期に、閉経に伴い卵巣の働きが衰え、女性ホルモンの(エストロゲン)の分泌が急激に減少することで起こります。
症状としてはのぼせ・ほてり・発汗、肩こり、疲れやすい、頭痛、腹痛、腰痛、動悸、息切れ、めまい等の他に憂鬱感・不安感、不眠、いらいら等の精神症状が出現します。
漢方やホルモン補充治療(HRT)を婦人科で受けても精神症状が改善しない方。
統合失調症
比較的若い人(10代から30代くらい)の発症が多く、100人に1人の割合で発病する病気です。
病気になりやすい原因は環境、過剰なストレス、素因(比較的優しい方で人に直接NOといえないような性格の方が多い)があり、脳の機能バランスが崩れ陽性症状、陰性症状、認知機能の軽度障害等がある方。
陽性症状とは幻覚(“悪口を言われている。TVが自分の事を話している”等の幻聴、見えないはずのものが見える“幻視”)、妄想(“誰かに見張られている。家に盗聴器やカメラがしかけられている”等誤ったことを信じ込む)等があります。
陰性症状とは表情が乏しくなる、視線を合わせられない、言葉の抑揚の低下、身振り手振り等が減る、意欲の低下(服装、化粧、身だしなみなどへの関心の低下、仕事や勉強などの関心の低下)、認知機能の軽度障害(注意力、集中力の低下等)があります。
病状初期には薬物療法が効果的で殆どの症状が改善することもありますが、治療が遅れると、幻覚に対して腹を立てて興奮したり、意欲や自発性が低下したり、感情の表出の低下がみられ、人格がかわり奇妙な表情をしたり、独り言をぶつぶつ言ったり、意味もなく笑う等がみられます。この時期に治療を開始すると長期間の服薬が必要となります。状況によっては入院治療が必要です。
妄想性障害
妄想を特徴とする障害です。
事実ではない事を確信しており、自分が病気にかかっていることを理解しておらず治療を受けようとしないため、家族や隣人等からの相談が多い病気です。
統合失調症と比べて幻聴や思考の障害などは起こりにくく、社会生活が破綻しない程度の症状であることが多い病気です。
最近は比較的一人暮らしをしている中高年が多い印象です。
この病気は以下の被害型、被愛型、誇大型、嫉妬型、身体型、混合型、特定不能型等に大別されます。
- 被愛型:
自分の事を身近の実在の人物が好きだと思い込む。 - 誇大型:
自分が才能にあふれて逸材であると思い込む。 - 嫉妬型:
配偶者や恋人が不貞を働いていると思い込む。 - 被害型:
誰かの陰謀によって騙されていたり、監視されていると思い込む。 - 身体型:
自分がひどい臭いを発している等と思い込む。
発達障害(自閉スペクトラム症、注意欠陥・多動症等)
自閉スペクトラム症(ASD)
- 相手の気持ちを察することが難しい。
- 集団行動が苦手で無理に合わせると苦しくなる。
- 雑談では何を話してよいかわからなくなる、
- 数名の集団での会話では話についていけなくなる。話に入っていけない。
- 音や光や臭い、人に触れること等感覚が過敏。
- 空気を読むということができない。不適切なことを言ったり、話が伝わりにくい。
- うまく要約できず、話が長いといわれることがよくある。
- 周りの人が普通にやっていることが、自分はなぜかできない。
- 幼児期から「あそこ」「それ」などの抽象的な表現が理解できなかった。
- 「ちゃんとやりなさい」「適当でいいよ」など曖昧な表現の場合に、どのようにしたら良いかわからない。
- 初めての場所・行動にとても緊張する。
- 急に予定が変更したりするとどういて良いのかわからなくなってしまう。
- 思ったことをすぐに口にしてしまう。「正直すぎる」と言われることがある。
- 言葉の裏が読めずに、言葉をそのまま受け入れるので、冗談や遠回しの言い方が理解できない。
注意欠陥・多動症(ADHD)
- 優先順位をつけるのが苦手。一度にいくつかの事ができず混乱する。
- 一つの作業をやっていても他の作業が気になると、そっちを始めてしまい結局全部中途半端になってしまう。
- 片づけるのが苦手。
- 物音や話し声がするとすぐに集中がきれたり、注意がそれる。
- 興味のあることに集中しすぎる。ゲームやネットに夢中になるとやめられなくなって気がついたら深夜や朝方になっている。
- 「まとめて」「簡潔」に話すのが苦手。
- メールの文章が長くなる。段落をつけることができない。
- 話の要点がわからない、まとめられない。
認知症(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症)
アルツハイマー型認知症
ご自身で物忘れに気付くことが多く、今まで日常生活でできた事が少しずつできなくなっていきます。新しいことが記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなる等が特徴的です。また、物盗られ妄想や徘徊などの症状が出ることがあります。他に無為・無関心、妄想、抑うつ、興奮や暴力などの症状が出現することがあります。
レビー小体型認知症
実際にはいない人が見える「幻視」、眠っている間に怒鳴ったり、奇声をあげたりする異常言動などの症状が目立ちます。また、手足が震える、小刻みに歩くなどのパーキンソン症状がみられることもあります。頭がはっきりしたり、ボーッとしたり、日によって変動することも特徴です。
血管性認知症
脳梗塞や脳出血などのよって発症する認知症です。脳の場所や障害の程度によって、症状が異なります。そのため、できることとできないことが比較的はっきりとわかれていることが多いです。手足の麻痺などの神経症状が起きることもあります。
他にも数多い精神疾患がありますが、まずはじっくり傾聴してから一緒に問題の解決を考えていきたいと思います。
*尚、当院では診察だけでは十分に解決できない時には、訪問看護やヘルパーの派遣や関連病院への入院治療等の相談に応じております。